国際バカロレア(IB)認定候補校、開智日本橋学園中学校でのTOEFL Junior®・TOEFL Primary®実施とその体験レポート

導入事例2017.06.19
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 開智日本橋学園中学校では、2016年9月に国際バカロレア(以下、IB)のMYP(Middle Years Program)、2017年3月にDP(Diploma Program)の候補校となりました。2017年1月には、同コースの中学1年生および中学2年生の国際コース全員を対象にTOEFL Junior®とTOEFL Primary®が実施されています。今回は、受験された中から5名の生徒さんに試験を受けた感想を、また、国際コース担当の近藤先生に、生徒に習得してほしい力や学校が目指す生徒像などについて伺いました。

■テストを受けての感想

安齋洸くん (中2 TOEFL Junior®受験)

 TOEFL Junior®の問題を解いてみると、新しい単語がたくさんあり難しさを感じました。けれど、新しい単語が文章中に何度も出てきているのを見つけて、推測しながら英文を読み取ろうという思いで読みました。リスニングでは、特に違和感のないスピードで聞き取れました。日頃、英語でネイティブの先生による英語の授業やホームルームを受けていますが、そこでのスピードとよく似ていました。次回受験してどのくらいスコアが取れるかリベンジしたいです!
 今学んでいる英語を、将来は英語が自分の母国語のように話せる人になり、海外の人たちと本心で会話ができるようになりたいです。また、将来の夢は機械を作れる工学部に入って、英語で海外情報を聞いたり読んだりして、プレゼンテーションもできるようになりたいです。

栗原礼佳さん (中2 TOEFL Junior®受験)

 初めてTOEFL Junior®を受けました。リーディングの問題は文が長くて、しっかり理解しようと思って読んでいましたが、時間のカウントを見て、もっとスピードを上げて読まないと解ききれないとわかり急いで読むようにしました。TOEFL Junior®の問題を見ると熟読しないと解けない問題ばかりでなく、文章のトピックや推測の問題なども入っていたので、早く読む練習も必要だと感じました。リスニングは「現地の英語ってこういう速さ」なんだろうなと感じながら聞いていました。得意なリスニングでしたが、聞きながらメモを取るのに必死でした。
 小学生の頃から、将来はさまざまな言語を話せる外交官になって、いろんな国の人たちと意見交換をしていきたいと思っていました。自分の経験や学んだことを日本語でも英語でも伝えられる人になるために、日々の英語力を少しでも上げていきたいです。次回どのくらいスコアが取れるかTOEFL Junior®を受けて測りたいです。

川尻慧子さん (中2 TOEFL Primary® Step 2受験)

 TOEFL Primary®を受けて、とても面白いテストだと思いました。私は動物関連の読み物が大好きなのですが、リーディング問題にそれが載っていて解くのがとても楽しかったです。リスニングは普段、先生の話す英語と同じくらいのスピードだったので聞き取りやすかったです。今回は思ったよりもいいスコアを取ることができたので、次回はTOEFL Junior®にチャレンジしてみたいです。
 夢は獣医になることです。日本にいる動物だけではなく海外の動物も扱いたいので、海外文献やニュースが読めて聞けるくらいの英語力を身につけたいです。

大坂絵梨佳さん (中3 TOEFL Junior®受験)

 初めて受けて印象的だったのは、時間配分を意識して解く必要があることです。英文が長く、いつものようなスピードで読んでいると間に合わないので、集中して読みました。海外の学校でネイティブの人たちが読むスピード感は、このくらいなのだ、と感じました。また、リスニングを解いている時には、特に早いとは感じませんでしたが、8歳の頃に3~4か月間、アメリカのホームステイ先に滞在していたときに聞いていた英語のスピードと同じくらいだと感じました。将来は海外の大学に進学することも視野に入れているので、高校3年生でディプロマの学位が取れるように頑張りたいです。夢は、子どもが好きなので、子どもに英語を教える先生になりたいです。

堀田実夢さん (中3 TOEFL Junior®受験)

 問題から全部英語の試験を受けるということが初めてでした。事前に学校の準備講座を受けて練習はしていたので落ち着いて解けたと思います。リスニングでは、普段受ける他のテストよりもスピードの速さを感じましたが、学校のホームルームでは必要なキーワードのみを黒板に書き、それ以外は先生の伝えていることを聞いて理解するので、日頃の取り組みから難しくは感じませんでした。
将来はまだ決まっていませんが、できるだけ今から日本の大学や海外の大学など選べる選択肢を増やしておきたいと思っています。海外の大学への希望もあります。さまざまな海外の人と触れ合いながら、海外の文化を学んだり、日本の文化を紹介することなどをしたいです。TOEFL Junior®を受けて、いずれはTOEFL iBT®にもチャレンジしてみたいです。

■国際コース担当 近藤健志先生へのインタビュー

Q:TOEFL Junior®、TOEFL Primary®の導入に至る経緯をお聞かせください。

 本校で設けているGLC(Global Leading Class)とDLC(Dual Language Class)という国際コースでは、英語はもちろんこと、技術家庭・社会の一部教科・美術・総合・ホームルームなどの授業を英語で実施しています。本校では、高校2年生、3年生でIBのディプロマ(DP)カリキュラムに進む予定のため、MYP段階では、中1でCEFRのA1~A2、中2でA2~B1、中3でB1~B2、高1でB2レベルの到達を目標にしています。そこで、英語を英語で学ぶことを最も方向付けしてくれるのがTOEFL Junior®やTOEFL Primary®だと考えています。DPコース後に海外大学への進学を希望する生徒もいるため、TOEFL Junior®やTOEFL Primary®を受けることでiBTへの足場固めができること、また、各学年の到達目標をCEFRで数値化できることが導入の決め手となりました。

Q:TOEFL Junior®やTOEFL Primary®を経て、そしてTOEFL iBT®へのステップの中で、生徒にどのような力をつけさせたいと思っておられますか?

 iBTにつながるTOEFL Junior®やTOEFL Primary®は、1つの答えを当てにいくような単純な問題ではなく、文章の大枠や要旨をクリティカルに考えさせるレベルの高い問題が多く、この点が本校の方針にも合っていて、また、受けた生徒達の感想が「楽しかった」となるのだと思います。本校では、生徒が主体的に学びを深めていく探究ベースの教育を実践しています。

例えば、レポートの書き方を学ぶ際には、リサーチの仕方、分析方法、それらを踏まえた意見の述べ方を学びます。生徒たちには、物事をクリティカルに考え、さまざまな角度から分析し、自分の意見を表現する一連の流れを学ぶことで、物事を深く考える力や考え方の多様性、またさまざまな考えを持つ人材とのコミュニケーション能力を身につけてほしいと思っています。TOEFL Junior®は重箱の隅をつつくような問題ではなく、ものの本質や要旨を問うような汎用性の高い問題であり、学ぶ力を下支えしています。

Q:普段の英語授業で心掛けていること、また学校が目指される生徒像は何ですか?

 本校の教育の目標は、生徒の主体的能動的な学びを創造することです。CLIL(Content and Language Integrated Learning: 内容言語統合型学習)の手法を取り入れ、実社会に根差した話題とも関連付けて題材を読み、議論していきます。そうすることで自らの湧き出た疑問から始まり、好奇心を持って考える探究ベースの学びにつながるのです。また、調べたことを授業の中で英語を使って発表する際には、自己及び他者評価できる仕組みを取り入れています。先生が教科書だけを教えるのではなく、タスクベースでの授業を行い、物事をクリティカルに考え話すことができる生徒の育成が可能になってくるのです。その中で大事なこととして、生徒が間違えを恐れずに積極的に英語で自己表現する文化を作るように意識することが大切です。それが英語の上達には一番大切だからです。

開智日本橋学園中学校
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