無我夢中で過ごしたアメリカ留学時代はかけがえのない財産です(曲谷由香さんインタビュー)

2020年11月30日作成

曲谷由香(まがたに ゆか)さんは中学校で英語に出会うとすぐさまその魅力にのめりこみ、夢中で取り組んだ結果、高校1年生のときにアメリカへの1年間の交換留学を経験されました。その際に決意した「アメリカの大学進学」という希望を実現させ、卒業後もアメリカで就職、アメリカ生活はトータルで8年近くにも及んだということです。現在は英語力を活かしてお仕事に従事されながら、英語のイベントにも携わっておられます。私生活では小学生のお母様でもある曲谷さんに、ご自身と英語との関わりや、お子さんの英語学習への想い、さらにお子さんと親子受験を体験されたTOEFL Primary® のご感想を伺いました。

––曲谷さんと英語との関わりをくわしくお教えください

私の英語の旅は中学入学から始まりました。ごく普通の家庭に育ち、それまで英語との接点がない私でしたが、中学で始めた英語が楽しくて仕方なく、すぐさま熱心に取り組むようになりました。母校は英語のコミュニケーションにも力を入れており、つたないながらも一生懸命に話した自分の英語がネイティブの先生に通じた喜び、褒めてもらったときの手応えが「もっと英語ができるようになりたい」という向上心を後押ししてくれたように思います。「好きこそ物の上手なれ」、と言いますが、私の場合、先生方のおかげで英語が好きになったことがすべての始まりでした。学校内外のスピーチコンテストに出場するなどだんだん自信もつき、英語が自己実現の大切な手段になっていきました。次第に英語圏に留学してもっと英語力を高めたい、と考えるようになったんです。
非営利団体の交換留学制度に応募し合格することができ、高校1年生のときにアメリカへの留学の夢が実現しました。渡米したばかりの頃は、なかなか英語が理解できないことも多く苦労もありましたが、終盤には学校生活も実りの大きなものになり、英語についても確かな手応えを感じるまでに成長することができました。そして、その貴重な経験を胸に、大学進学はアメリカで、という次の目標をもって帰国したんです。

––そしてアメリカの大学進学を実現されたのですね

道のりは平坦ではありませんでした。周囲の友人は国内の大学進学へ向けての受験勉強に励む中、私はTOEFL® のスコアアップが最優先課題。自身が選んだ進路への決意が揺らぐことはありませんでしたが、目標のスコアがなかなか取れない時期、伸び悩みの時期がありました。そういうときは迷いが生じましたね。これで希望する大学へ行けるのだろうか、という受験生共通の悩みです。でも勉強を続けていくと結果がついてくるようになりました。TOEFL® は受験のチャンスが頻繁にあるテストなので、結果の出なかった回のスコアを気にするよりも、ポジティブな気持ちで「次」に向かうと次第にスコアが取れるようになると身をもって実感しました。
がんばった甲斐があって、無事にアメリカの州立大学へ進学することができましたが、入学してからの勉強はさらに大変なものでした。特に、一般教養課程はアメリカ人学生と同じレベルで幅広い分野を扱いますから、並大抵の勉強では対応できません。私の場合は、家庭教師について補習を受けておりましたがあまり良い成績を収めることができませんでした。専門課程に入ってからは余裕がでてきたのか、サマースクールで必須科目を履修し、カナダのケベック州に短期留学して副専攻のフランス語を修了するなど効率良く勉強ができるようになり成績が上がっていきました。週末以外は学校の授業が終わったら図書館に直行し、図書館が閉まるまで勉強をしていました。これは私だけではなく、他の生徒達も当たり前のようにしていたので苦にはなりませんでした。よく言われることですが、「アメリカの大学は入学するよりも、卒業する方が大変なこと」なんですよね。授業への参加姿勢、大量の宿題に的確で質の高いレポート作成…とにかく求められることがハイレベルでした。だからこそ、学部を卒業したことの価値が社会でしっかりと認められています。英語力はもちろんのこと、学問への向き合い方を徹底的に鍛えられた4年間でした。

––英語との関わりを通して気づいてこられたことは何でしょうか

学習を続けていくにはやはり「英語が好き」という気持ちが原点でとても大切です。そして私の場合は、先生方にとても恵まれていました。日本でもアメリカでも、自信を与えてくださる先生に出会うことができたと思います。「何でも相談できる関係」という表現がありますが、私にとってはアメリカの大学でご指導くださった先生方はそういう存在でした。そのために私自身が心がけていたことがあります。それは、間違いを恐れず自分から積極的に質問をすることでした。たとえ不十分な英語力であっても、相手は懸命に理解して力になろうと歩み寄ってくれます。道を切り開くには、怖がらないで相手の懐に飛び込む勇気をもつことだ、とアメリカでの生活で学んだと思います。
また、両親が私を信頼して希望を尊重してくれたことにも感謝しています。初めて留学を考えた中学3年生のとき、そのきっかけは両親がさまざまな選択肢を示してくれたことでした。その際、決して進路を強いるのではなく、いろいろな情報を与える中で私の自覚や自立への姿勢を育んでくれたのが私の両親でした。今、自分自身が親の立場になり子育てに向き合いながら、私もあのように子どもの意思を引き出す関わりをしていきたいと考えています。

––お子さんとTOEFL Primary® を親子受験されましたが、いかがでしたか

わが子は学校から出る英語の課題以外には特別なことはしていないので、このようなテストへの挑戦はまだ早いかな、という思いも最初はありました。テスト受験というと嫌がるかもしれないと思ったので直前まで、親子受験をする、とは明かしていなかったんですよ。ですからテスト対策ゼロの状態で臨みましたが、親子で結果を見比べてみると私の得点と大差がなかったり(笑)、思いのほかスコアが取れていたんです。それはとても驚きと自信になったようで、大変喜んでいました。
英語力を活かして英語ゲームを担当される曲谷さん(右)
マークシート方式のテストに、1時間近く集中して取り組むといった経験自体が普段ないものですから、大人と同じように接してもらえるのも小学生のわが子にとって新鮮な出来事でした。気持ちが引き締まったようですね。そのような環境で自分が評価されスコアという形に残ったので、もっと英語をがんばりたいという気持ちになれた様子でした。わが子にはマイペースでいいので英語学習を続けていってもらいたいと思っています。親としては、英語がずっと好きでいられるように小さな変化を褒めたり、子どもが目標を見つけられるよう促しながら応援していきたいです。
私も今回初めて、小学生から受験できるTOEFL Primary® というテストのことを知りましたが、ふだんの英語学習の成果をはかるものさしとして活用できるテストだと感じました。リスニング問題には英語圏のいろんな国のアクセントがあえて採用されているのが印象的でした。そういった幅広い対応力もこれからますます求められてくるでしょうから、実用性にポイントが置かれた出題になっていますね。英語の検定試験などには、小学生がいきなり挑戦するのは難しいものが多いですが、TOEFL Primary® 受験を通して場慣れしながら、英語学習の指針にしていけば、モチベーションの維持にもつながると思います。

––将来、留学を希望している方たちへメッセージをお願いします

私自身が大学留学を目指してTOEFL® を受け続けてきた経験から言えるのは、1回のスコアで落ち込む必要はないということです。前向きな気持ちで臨んだら必ず結果が出ますから、あきらめないで英語に向き合い続けてください。今は、コロナの影響で留学実現の見込みがなかなか立たなくて、気持ちがくじけそうになるかもしれません。でもそんな時期は、将来の夢を温める大切な時間を与えられた、と考えてはいかがでしょうか。夢を持ち続けて努力を続けていれば、叶うときは必ずくるはずです。我慢をした分、留学が実現したときには、すばらしい経験が待っていると思います。私自身、無我夢中で留学生活を送りましたが、かけがえのない経験と出会いを得ることができ、年を重ねるにつれてその価値を実感しています。ぜひ英語力を磨き続け、海外へ羽ばたいていっていただきたいと思います。
一覧に戻る