第3回グローバル・コミュニケーション&テスティング主催セミナー 「英語4技能向上セミナー」レポート

導入事例2015.10.07
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第3回グローバル・コミュニケーション&テスティング主催セミナー
「英語4技能向上セミナー」は、
8月4日札幌、8月5日仙台、8月18日名古屋、8月19日大阪、8月22日福岡、8月29日東京と、全国6会場で中学・高校、大学の先生方、教育委員会のみなさま、教育関係者のみなさまなどにお集まりいただきました。
ここではその模様をレポートします。

当日のプログラム

  • 文部科学省講演
  • 「大学入試における外部テストの活用」
  • 指導実践ワークショップ
  • TOEFL Junior® Comprehensiveテスト紹介

■文部科学省特別講演

葛城崇氏(文部科学省初等中等教育局国際教育課英語教育改革プロジェクトマネージャー)
 ∗札幌会場、仙台会場、福岡会場

第3回グローバル・コミュニケーション&テスティング主催セミナー

 文部科学省で英語教育に関する企画立案や英語教育改革を担当されている葛城氏。楽天株式会社にて社内公用語英語化プロジェクトリーダーとして推進されてきたご経験を交え、社員全員の英語力を上げる取り組みの実践例をご紹介いただきました。決して英語が得意な人ばかりではない社内で、並々ならぬご苦労のあったご様子をお話され「大人になって英語で苦労するのは自分たちを最後にしたい。そのためにも、現在文部科学省で推進している、大学入試改革を含めた英語教育改革は極めて重要」とのお言葉を、参加者の皆さんも受け止められていました。

向後秀明氏(文部科学省初等中等教育局国際教育課教科調査官)
 ∗東京会場、名古屋会場、大阪会場

第3回グローバル・コミュニケーション&テスティング主催セミナー

 現在の学習指導要領は「コミュニケーション能力をつける」こと、それも「英語の4技能を総合的・統合的にバランスよく伸ばすこと」が謳われているとおっしゃる向後氏。
 実際の授業の様子や、生徒たちが英語を使って自分を表現していく様子の映像のご紹介には、会場の皆さんも食い入るようにご覧になっていました。時に真剣な口調で、今学校で実際に行われている一つひとつの指導が、生徒たちの「コミュニケーション能力をつける」ことにつながっているのかと問いかけられていました。「今回の英語教育改革をオールジャパンで推進しなければ」という思いに溢れるお話をいただきました。

■「大学入試における外部テストの活用」

松本茂氏(立教大学経営学部国際経営学科教授 グローバル教育センター長)
 ∗札幌会場、仙台会場

第3回グローバル・コミュニケーション&テスティング主催セミナー

 立教大学のグローバル化を牽引している松本先生に、同大学の一般入試および自由選抜入試においてTOEFL Junior® Comprehensiveを含む4技能テストを活用することになった経緯と背景、そして立教大学が教育内容と学習環境をどのようにグローバル化していこうとしているのかについてご説明いただきました。中学・高校における英語教育の現状と改革の方向性にも触れながら、大学に入学するまでの間に生徒たちはどのような英語力を身につけてもらうべきなのかについてもお話いただきました。目の前の生徒たちが50歳になる頃に、日本を取り巻く環境が大きく変化していることを理解したうえで、生徒たちに英語を使う体験をたくさん積ませてあげる必要性を力説され、学校現場の先生方にとっては、ご自身の生徒たちにどのような指導をすべきなのかを深く考える時間となったようです。

石田和彦氏(立教大学総長室教学改革課)
 ∗東京会場、名古屋会場、大阪会場

第3回グローバル・コミュニケーション&テスティング主催セミナー

 立教大学では、海外からの留学生を増やすことや、学生が海外での学びの場を広げることができるよう様々な国際化の取り組みをされています。その一環として、全国に先駆けて、来年2016年度入試からTOEFL® iBTやIELTSなど4技能テストを活用する「一般入試グローバル方式」を導入することを決定されています。この入試改革の背景や、大学がどのような学生を求めているのかについての石田氏からのお話に「大学は今まさにこれほど変わろうとしているのですね」と参加者の皆さんからも驚きの声が上がりました。

近藤祐一氏(立命館アジア太平洋大学入学部長 アジア太平洋学部教授)
 ∗福岡会場

第3回グローバル・コミュニケーション&テスティング主催セミナー

 世界各国からの学生が対話し、それぞれの文化的背景も含めて学び合うAPU。近藤先生からは、その環境を最大限に活かすために、どのような学生が求められるのか?また、そのために大学までにどのように学んでもらいたいのかをお伝えいただきました。APUで伸びた子どもたちを分析してみると、「踏ん張ることができるための基礎学力、学修習慣、動機・志」が共通して持っている資質だとおっしゃっていました。世界に対する好奇心を持った生徒たちがさらに伸びるためにも、基礎力を大切にしてもらいたいというお話に、多くの参加者のみなさまも深くうなずきながら聞かれていました。

■指導実践ワークショップ

米野和徳氏(県立山形南高校 教諭)
 ∗札幌会場、仙台会場

 実際に米野先生がされている4技能を組み合わせた指導の様子と、コンピュータを使ってスピーキングをどのように評価しているかについて、具体的にお話をいただきました。何よりも印象的だったのは、米野先生の指導のもと、生徒たちが楽しそうに英語をアウトプットし、それをコンピュータに吹き込むというスピーキングテストで生き生きと自分の成果を残している様子でした。どこの学校も頭を悩まされている「話す」技能の測定についても、大きなヒントをいただけたとの感想を残される参加者の方が多かったです。

菅井幸子氏(「Propell® Workshop for the TOEFL® iBT Test」修了者(株式会社 イーオン 学校教育課))
 ∗東京会場、名古屋会場、大阪会場、福岡会場

第3回グローバル・コミュニケーション&テスティング主催セミナー

TOEFL Junior® Comprehensiveのスピーキングテストにも見られる、技能統合型の問題に対応する力をつけるための指導の工夫を、実際に声を出したり問題を解いたりする参加型のワークショップを通してお伝えいただきました。英語でする課題と同じ形式のものを、最初に日本語で取り組んでみて、英語で取り組む時とどう違うのか話し合う中から、「英語でアウトプットする力」をつけていくために必要なプロセスを実感できたひと時となりました。「すぐにでも授業で活かしたいワークショップだった」というご感想もいただきました。

TOEFL Junior® Comprehensiveテスト紹介

上原雅子氏(神田外語大学外国語学部英米語学科語学専任講師)
 ∗東京会場

第3回グローバル・コミュニケーション&テスティング主催セミナー

 永年の大学でのご指導と、TOEFL® iBT研究の見地から、TOEFL® iBTはどのようなテストなのか、また、TOEFL Junior® Comprehensiveは、iBTに直結する唯一のテストとしてどのような力を測っているのか、詳しくお話をいただきました。「リスニング・リーディングの力をつけてからスピーキング・ライティングの力をつけたらよいのか?」「TOEFL Junior®のリスニングが速いと感じる生徒が多いがどのように指導すればよいのか?」という、よくいただくご質問にお答えいただきながら、TOEFL Junior® Comprehensiveに挑戦することが、コミュニケーション能力を伸ばすことにもつながっているというお話もいただきました。

【皆様からのアンケートより】

  • 今まで断片的な話しか分かっていなかったが、大学入試改革の背景や全体像がとてもよく分かった。
  • ここで英語教育改革を成功させなければ、オールジャパンの一員として取り組みたいと思いました。ありがとうございました。
  • 各大学のグローバル化に向けての取り組みと、その中でなぜ英語四技能が必要なのか、ということが整理して理解できた。
  • 学校現場で、生徒の4技能を伸ばす取り組みを伺えて参考になった。
  • 自分でTOEFL Junior® Comprehensiveの問題に挑戦でき、他の参加者と意見を交換しながらの内容だったので、参加していたたのしく、自分の授業でも活かしたいと思った。
  • TOEFL®と言えばiBTだと思っていましたが、TOEFL® iBTに直結し、なおかつ日本の高校生~大学生のレベルに適したテストの詳細が伺えて、TOEFL Junior® Comprehensiveへの期待が高まりました。

アンケートの結果では99%の方から「わかりやすかった」というご感想をいただきました。

セミナー感想

今後参加したいセミナー・ワークショップのテーマとしては、
1位 国内英語教育の状況
2位 指導ワークショップ
3位 国内大学入試について
と、今回のセミナーの内容を受けて、さらに発展したセミナーへのご期待もいただきました。
今後GC&Tでは随時このようなセミナーを実施してまいります。
実施についてはこちらのウェブサイトでご紹介いたしますので、ぜひご参加ください。

セミナーの実施要綱はこちらから⇒