TOEFL Junior®受験生に、世界市民を育てるための「混ぜる教育」を薦めたい。 立命館アジア太平洋大学アジア太平洋学部 入学部長 近藤祐一教授 インタビュー

導入事例2017.03.21
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立命館アジア太平洋大学(大分県別府市、以下「APU」)では2年前から外部英語検定試験のスコアを活用した入試がスタートし、TOEFL Junior®(ペーパーベース・2技能版、以下「TOEFL Junior®」)のスコアが活用されています。入学部長のアジア太平洋学部 近藤祐一教授にスコア活用の経緯や目的についてお話を伺いました。

Q:大学入試でのTOEFL Junior®スコア活用の経緯を教えてください。

TOEFL Junior®はTOEFL iBT®で培われたテスティングの技術が活用された信頼できるテストです。また、世界中で活用されているので、海外からも多くの入学者を受け入れている我々にとって適切なテストであると考え、スコアを採用しました。
また、入学後に学内でTOEFL iBT®を受験するので、TOEFL iBT®の前段階としてのTOEFL Junior®はカリキュラムとの親和性もあると考えています。設定や設問内容、出てくる単語等を考えても、英語が得意という生徒に限らず幅広く受験できる魅力あるテストです。

Q:入学時に求めたい力や入学後に伸ばしてほしい力はどんなものでしょうか?

我々が求めているのは基礎学力とバランスです。TOEFL Junior®は英語におけるこれらを測定できるテストです。大学は基礎学力をもとに専門的な知識や教養を学びます。また、言語は総合的な活動です。特に基礎となる「読むこと」と「聞くこと」のバランスが大切であり、大学の授業を受けたり、国内学生と国際学生が一緒に生活する環境の中では不可欠です。
APUには「2030ビジョン」というものがあります。「世界で生きていける人材を育てる」「世界を変えることができる人材を育てる」、つまり「世界市民を育てる」というビジョンです。世界市民とは、自分の考えを持ち、知識や情報を複数の言語でとり入れていろんな国の人たちと意見交換ができ、責任ある判断をして社会に貢献していく人材のことです。「スーパーグローバル大学創成支援」(SGU)に選ばれたことをきっかけに、世界市民という考えを前面に打ち出しました。いろんなところでグローバルリーダーが必要だと言われますが、グローバルリーダーを育てるには世界市民を育てることが必要です。多くの世界市民を育てることでグローバルリーダーも育ってくると考えています。

Q:学内のカリキュラムにTOEFL Junior®はどのように貢献できるでしょうか?

TOEFL Junior®は一人ひとりの強みや課題がわかるアセスメントのためのテストであるとも考えています。入学から卒業までの教育をシームレスに行う上でも有効であり、TOEFL Junior®はコンサルテーションしたり、アドバイジングのときに活用できます。
基本となる英語力がどのようなテストで測られているかというところは実は大事です。TOEFL Junior®のようにオーソライズされたテストのスコアは私たちにも学生にも確信を与えてくれます。
APUでは国内学生と留学学生を「混ぜる教育」、別の言い方では「グローバル・ラーニング」を行っています。お互いに持ち合っている知識を教え合い、交換し合うという言語活動がとても重要になります。
いま大学教育は大きく変わろうとしています。いままでの知識を詰め込む教育ではなく、得た知識を自分たちの人生に役立てたり応用したりする授業が増え、情報収集力や情報発信力が必要になってきています。APUはAACSB(経営学部・MBAのビジネスユニットの国際認証機関)の認証を受けました。また、来年度から国際経営学部の4年生は「キャップストーン」という新しい授業を受けます。国内学生と国際学生がグループを組み、外部の人たちのレクチャーを聞いて、日本語と英語の両方の言語でレポート作成とプレゼンテーションを行います。アウトプットしない限りは本当に学んだかどうかわかりません。社会に出たらアウトプットは必然的に求められます。仲間とコミュニケーションしながら、学んだことや調べたことを実際の場面で使えるところまで考える授業です。この「キャップストーン」のような授業は実践的であり、世界基準であるTOEFL Junior®を受験してきた学生にもぜひ受講してほしいと思います。

Q:高校生へのメッセージをお願いいたします。

高校時代はとにかくしっかり勉強しておきましょう。仕事をするときにも教養は必要です。日本では高校までにひと通りの知識を教えてくれます。高校までで学ぶことはすべて基礎の教養であり、とても大事です。
また、「どんな人になりたいか」「どんなことに挑戦したいか」という目標を持ち、「自分にはどの科目が必要なのか」「どんなことを学ぶべきなのか」を考える経験をしてほしいと思います。目標は明確でなくてもいいし、変わってもいいので、まずは自分の目標を持つことです。そうしないと大学生になっても目標が持てなくなります。日本の中高でキャリア教育が行われているものの、大学生になっても目標がない人がいます。それに対して国際学生は大きな目標を持ち、それが彼らを動かすモチベーションのもとになっています。
APUへの入学を希望している人たちには、国際学生と一緒に学び、お互いに刺激し合い、そして自分の可能性を広げるためにも、自分自身の目標を持って入学してほしいと思います。

立命館アジア太平洋大学(APU)
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