日々の小さな積み重ねが、大きな力となり自信に変わる 英語講師 駒井亜紀子さん

 英語講師として活躍する駒井亜紀子さんは、2020年に初めてTOEFL Primary® Step1を息子さん(当時小学4年生)と受験しました。その際の様子や感じたことは、GC&T ウェブサイトへ掲載しています。

それから2年が経った2022年3月、再び同じテストに親子で挑戦。2回目の受験を終えた後、どのような気づきや変化があったのでしょうか、駒井さん親子にあらためてお話を聞きました。

—— 初受験の結果が返ってきた時の息子さんの反応はいかがでしたか

2年前(2020年)の親子受験の様子
 当時小学4年生だった息子は、会場に足を運んでテストを受けること自体が初めての経験でした。そのため、場の雰囲気にのまれるというか、浮き足立つというか、とても緊張していたことを覚えています。初めての親子受験では何も対策をせずに臨んだので、テストの結果についてはそれほど期待していませんでした。
でも後日送られてきたテストの結果を見てびっくり! 二人で顔を見合わせながら「意外とできたね」と、うれしさで自然と顔がほころびました。息子はこれまで明確な目的意識を持って英語を学んできたわけではありません。どちらかというと「やらされている感」満載(笑)だったと思うのですが、初めて自分の力が客観的なスコアで評価されることで、「今までやってきたことは意味があることだったんだ!」と実感できたはずです。それは間違いなく自信につながったと思います。
この体験を通して、彼の潜在意識の中には「英語はこれからも学び続けていく必要がある」「投げ出さずに学び続けていけば、必ず自分のためになる」ということが強く刻まれたのではないでしょうか。

—— 2回目の親子受験は、どのような心構えで挑みましたか

今回(2022年)の親子受験の様子
 前回に比べてテストに多少慣れたこともあって、だいぶ落ち着いて受験することができたと思います。2回連続同じテストを受けるメリットは、どこができるようになったのか、明確に比べることができる点です。私が息子に「英語、上達しているね」と伝えても、本人がそれを実感、納得しなければ、親の主観を押しつけるだけで終わってしまいます。TOEFL®のようなグローバルスタンダードなテストを活用して、「できることが増えた」と本人が自覚することが大切だと思っています。それが英語学習を継続するモチベーションにもつながります。
2回目の受験の時はテスト対策としてではなく、テストの形式で戸惑うことがないように、リスニングやリーディングテストの形式を一緒におさらいしてから臨みました。形式を理解していないばかりに、一問無駄にしてしまうのは非常にもったいないことです。これは普段TOEIC®を教える身としても痛感しています。今回は日頃の力を存分に発揮するためにも「テストの形式は事前にしっかり頭に入れておこうね」と、共有することができました。

—— 2回目の親子受験を終えた後、どのような気づきがありましたか

 TOEFL®のテスト問題には、「必ずここは理解してほしい」というポイントや意図が組み込まれています。私自身も「あぁ、ここは試されているな」と思いながら問題を解く場面が何度かありました。
今回意外だったのは、受験後、息子に「どうだった?」と聞くと、「リスニングよりリーディングの方ができた」との答えが返ってきたことです。息子は今、オンラインで英会話を学んでいますが、基本的に英会話のレッスンでは、ベトナムやフィリピンの先生と会話をしたり、オーディオを聴いて話したりすることがメインです。そのためてっきりリスニングの方ができたのかと思っていました。
そこで私なりに分析してみたのですが、おそらく息子はリスニングの中でも短文や単語を聞き取る問題は自信を持って解くことができたはずです。一方で、ストーリーを聞いて答える問題が極端にできなかったのではないかと推測します。一つのまとまった物語を聞いて設問に答える問題は、情報量も多く、スピードも速いため、ポイントを押さえて聞き取る必要があります。英会話のレッスンでは、わからなければ聞き返すことができますが、テストは1回勝負です。1回しか聞くことができない緊張感の中で、どれだけ正確に内容を把握できるかが求められます。今後は物語を聞き取る力も意識して育てていく必要があると気づくことができました。TOEFL®のテストには、ただ単に自分の力を試すだけではなく「自分にはどんな学びが必要なのか、どんな力を強化してくべきなのか」を考えるためのヒントがたくさん詰まっていると思います。

—— 駒井さんが、英語教育や子育てをする上で、大切にしていることは何ですか

 継続すること、そして長い目で成長を見守ることです。日々の小さな積み重ねが、やがて大きな成果を生み、自信につながると確信しています。今回のテストでもそれを実感しました。息子が私の予想に反して「リーディングの方ができた」と手応えを感じることができたのも、最初は「なぜ?」と不思議でした。でも、話を聞いてみると「単語がわかったから読むことができた」との答えが返ってきて、ハッとしたんです。これまで年長から4年間、くもんの教室に週2回通っており、そこでは毎回、結構な量の音読をしていました。「読む練習」や「単語を見る」ことを何度も繰り返して行うことで、知らず知らずのうちに息子の中に「読む力の土台」ができていたのだと思います。
息子には幼い頃から将来を見据えて、くもんや水泳を習わせてきました。例えば、水泳も週1回プールへ通い、そこで1時間練習をする。それを数年続けることで、最初は潜ることしかできなかったのが、今ではバタフライまで泳げるようになりました。「継続の力」って本当にすごいと思います。
時に周りの人から「教育熱心だね」と言われることがありますが、私自身は決してそのようなつもりではありません。仕事に追われる毎日ですし、息子にかけられる時間も限られています。だからこそ、「5年後、10年後と長い目で見た時に、何が必要か」ということを常に考えるようにしています。私が子育てで大切にしているのは、「今に期待しない」ことです。20歳を過ぎた時に、「僕って案外いろんな力を持っているかも」と気づいて、その力を発揮して社会に貢献してくれたらいいですね。イメージとしては、自分自身の軸となる得意分野を伸ばしていって、そこにもう一つプラスアルファとして英語の力をかけ合わせる感じ、それによってさらに可能性を広げていくことができると思っています。

息子さん(小学6年生)のコメント

もっとリスニングの力を磨いて、さらに挑戦したい

2年前に初めてTOEFL Primary® Step1のテストを受けた時は、難しかったです。でもテストの結果が返ってくると、結構できていたので、うれしい気持ちが湧いてきました。「もうやだ、やめたい」と思ったこともあったけれど、くもんで英語の勉強を続けてきてよかったと思います。それは自分のためになっていると感じるからです。学校の授業でも、クラスのみんながわからないことも、自分にはわかることも多いので、手を挙げて発言したり、友達に教えてあげたりすることもあります。そうすると自分でも「僕は英語ができるんだ」という自信になります。
今回の2回目のテストでは、リスニングの問題スピードが速くてあまり聞き取ることができませんでした。1回聞き逃したらそこで終わりなので、結構焦ってしまいました。次回受験する時には、リスニングの力をもう少し磨いて挑戦したいと思います。
お母さんと一緒に同じテストを受けることで「あの問題はどうだった」とか、お互いの感想を言い合ったりわからなかった部分やどこを注意して解いたらよいのかなどを聞いたりできるのでよかったです。
僕の好きな教科は算数・数学ですが、「これからも英語の勉強は続けていきたい」と思っています。今は、オンラインで英会話を学んでいます。いろいろな国の先生と話すのは楽しいです。いつか海外旅行に行って、実際に英語を使ってみたいと思います。自分一人の力で、現地の人に道を尋ねたり、お店で値段を聞いたりすることが本当にできるのか少し怖いですが、チャレンジしてみたいです。
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