新入試に採用の英語試験で進学後に活きる力も育む(郁文館グローバル高校/東京都)

2019年2月15日掲載

『私教育新聞』(モノリスジャパン発行)第73号

世界共通の英語運用能力テストが生涯活かせる英語力を育てる

新大学入試への転換期にある今、2020年度入試から2023年度にかけて「大学入学共通テスト」がスタートする。英語科目では、この新テストで「読む・聴く」の2技能を中心に測定。併せて文部科学省が認定した民間事業者が実施する英語の資格・検定試験(以下民間試験)を活用し、残りの「話す・書く」の2技能を測る。2024年以降は民間試験に一本化されていく見通しだ。
認定された民間試験に含まれるTOEFL iBT®は英語を母語としない人々の英語コミュニケーション能力を測るテストとして開発された。TOEFL®テストは、現在世界150か国、1万以上の教育機関で活用されている、実生活でのコミュニケーションに必要な英語力を総合的に測定することができる試験として英語能力の証明、入学や推薦入学、奨学金、卒業の基準として利用されている。
近年、このTOEFL®ファミリーに、新たな取り組みが始まっている。主に小・中学校を対象とするTOEFL Primary® Step 1・Step 2、そして中学・高校がメインの対象となるTOEFL Junior® Standardだ。今回取材した「郁文館グローバル高校」が導入しているTOEFL Junior® Standardは、世界中のカリキュラムをもとに設計され、友達との会話などを題材に「読む」「聞く」の2技能において「どれだけ英語が使えるか」を測るものだ。テストを実施した深堀さん、正親さんにその魅力について具体的な話を聞くことができた。
正親さん:「私は元々英語に苦手意識を持っていたので克服するためにTOEFL Junior® Standardに積極的に取り組もうと意識してきました。今では楽しみながらテストに取り組めており、『英語を扱えるようになった』という感覚は大きな自信にもつながっています」
深堀さん:「そうですね。最近では身につけた英語力を生かして外国人の先生との会話もスムーズにできるようになってきました」
正親さん:「私もボランティア活動に参加した時に外国人の方とコミュニケーションを取るなど校外で英語力を活かせる機会がありました。1月には留学に行くことになるのでさらに高めていきたいと思います」
TOEFL Junior® Standardのスコアは、アメリカの公私立中学校・高校をはじめ、カナダ・オーストラリアの中学・高校においても、英語力証明や出願要件として活用が進んでいることもあり、2人とも「使える英語」に自信を持ちはじめたようだ。

「暗記や対策で解けないからこそ集中する」成長が感じられるテストの魅力

同テストには、生徒たちが目のめりになって試験に取り組むための工夫がある。その特徴が、合否判定ではなく、セクションごとの得点で点刻みで示される試験結果だ。各セクションにおけるCEFRレベル(英語の言語能力を評価する国際指標)を算出し、受験者の英語能力の現在値を正確に把握することができるのだ。また、その試験内容の難度も生徒たちの英語力を育む要素となっている。
深堀さん:「他の英語テストや試験では勘で解けてしまう問題もあるのですが、TOEFL Junior® Standardは明らかに間違っている選択肢がないので、なかなか正解に辿り着けません」
単なる英単語や熟語の暗記では解くことができない試験内容を構築。特にリスニングにおいては耳で聞きながら回答していかないと追いつかないので「考えながら聞く力」が身についていく。実際の会話に近い形で英語に触れることで、実践的な英語力を修得できるため、世界水準の学びがある試験と言えるだろう。さらに、合格をゴールとしないことで、大人になっても英語のスキルチェックとして受け続けることも可能だ。生涯にわたって学び続ける力をつける上でも有意義なテストは生徒の進路実現に留まらず、進学後の未来にも活きる力を育てることができる。同テストを受験することによって、生徒たちも成長が感じられているようだ。
同テストを受け始めてから、「英語で物事を考えることができるようになった感覚がある」と話す深堀さん。英語に苦手意識を持っていた正親さんにも、変化があったようだ。
正親さん:「テスト中は休む間もなく問題と向き合わなければならないので、回数を重ねるごとに集中力がしっかりと身についている感覚があります。身についた集中力は他の教科や授業の中でも活かせている実感がありますね」
今後TOEFL iBT®に挑戦できるよう頑張っている生徒も少なくないという。同テストを通して英語に対する意識が変わったと話す正親さんは「ネイティブに近い英語に触れることで、覚えるだけじゃ足りないという気づきがあった」とも話した。

今、大学入試への活用だけでなく進学後を見据えた学びにもつながるTOEFL Primary® Step1・Step2/TOEFL Junior® Standardに現場の期待感が高まっている。生徒たちが自ら積極的にテストに向き合う環境を作り出せる同テストが浸透していくことで英語教育現場の未来はさらなる変革を遂げることだろう。

郁文館グローバル高等学校 木村和貴 副教頭

TOEFL Primary® Step1・Step2/TOEFL Junior® Standardの最大の魅力は、よりネイティブに近いリアルな英語感覚を持ったアウトプット重視の試験内容です。リスニングにおいては他の検定・試験より高レベルで確かな実践力が身につきます。結果が点数で示されることが生徒のモチベーションに繋がるので上達を楽しみながら取り組めることも特徴です。
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