新時代に生きる力を育み、児童一人一人の可能性を広げる

たくましい心をもった“真の国際人”を育てる

「他を大切に思う心を育てることが、自己の人間性の向上につながる」。

授業の様子
学校法人生光学園小学校は、創設者である美馬昇(みまのぼる)氏の建学の精神のもと、子どもたちが日々、「学ぶ喜びを感じる」ことができる授業を展開し、「今日も学校に来て良かった」と心から思える学校づくりを進めている。その中で児童たちには、国際人としての価値観・表現力(コミュニケーション力)・実践力を身につけてほしいと考える。
同校の教育目標は、「広い視野から物事を考え、英語を使いこなせること」「自分の考えをもち、自己表現がしっかりとできること」「日本の文化や伝統を知り、日本人としての誇りをもって、行動できること」だ。そして、思い通りにならない問題にぶつかった時でも、自分自身を信じ、自らの人生を切り拓いていける“たくましい心”をもった人材を育てるために、さまざまな活動や独自の授業カリキュラムに取り組んでいる。
英語教育においては、1994年に全国で2校目、西日本初となるI.E.C.(International English & Culture)コースを開設した。本学園の小学校を卒業する頃には、児童のおよそ7割が高校卒業レベルの英語力を身につける。

世界で通用するコミュニケーション力を磨く

同校では、私立学園の強みを活かして、独自の授業カリキュラムを実施している。各学年の授業時数は、文部科学省の定めを大きく上回り、小学校1年生からの英語教育、理数科目の発展的な学習はもちろん、教科横断的な学習や、自然体験など多様な経験を積む機会が用意されている。
クラスは、外国人教師と日本人教師の「二人担任制」を採用。外国人教師、日本人教師が教科ごとに担当し、バランス良く授業を行っている。教科としての英語の授業は、週5時間だが、体育・理科・社会などの教科を英語で行う授業もある。外国人教師が指導している授業はすべて英語で進められるため、全体の授業時数の3分の1が英語で実施されている。児童は、日本人しての自覚と責任をもちながら、外国人教師と毎日生活を共にし、常に「英語に包まれる」環境で学ぶことができる。
また、現在の子どもたちは直接体験が少ないといわれている。そのため、生光学園小学校では、机上の授業だけでなく、さまざまなシチュエーションで英語力を高める場を設けている。
例えば、サマースクールやスキー研修、ブリティッシュヒルズ英語研修、歴史学習旅行、海外修学旅行などの体験型活動に加え、校内活動として、ちびっこイングリッシュコンテストや学習発表会などを実施。仲間と切磋琢磨しながら、英語を使って意思表示や人前で表現できるようになるための力を磨く。
生光学園では、単に英語が上手になることを目指しているわけではない。英語教育の目的は、堂々と自信をもって、世界の人々とコミュニケーションが取れるようになることだ。
そのため、日常的に英語に触れる環境を重視している。

海外交流を通して、英語を学ぶ楽しさを知る

現在はコロナ禍の影響で、リモートによる海外交流を実施している。児童は一人1台パソコンをもっているため、それを使ってZoomでやり取りをする。例えば、カリフォルニア州サンフランシスコのRosa Parks Elementary Schoolの児童 と、10人程度(生光4人、Rosa6人)の少人数グループに分かれて自己紹介やゲームをしたり、ニュージーランドのWaihi Beach Schoolの児童と、月1回、テーマを決めて話し合ったりするなど、定期的な交流を楽しんでいる。
リモート海外交流の様子
リモートでの交流以外にも通常は、小学4年生からカリフォルニア研修やオーストラリア研修に参加するなど、それぞれの学年に合わせて、さまざまな経験を積むことができる。例えば、ハワイのコナ島にある姉妹校IPCS (Innovation Public Charter School)との交流学習もその一つだ。2年に1度の割合でIPCSの児童が生光学園を訪れ、書道や伝統文化の授業や交流学習を行う。また、小学6年生は、10日間のハワイ修学旅行でIPCSへ足を運び、ホームステイや日米合同授業などを体験する。
これまでIPCSとの児童と行った合同授業のテーマには、「平和について考えよう ~天災と人災から~」「日本の有名人とアメリカの有名人の比較環境について」「環境問題(家庭のゴミ処理の仕方)」などがある。外国人の友達と実際に肩を並べて、それぞれの国の立場から自分の考えを発表し、お互いの文化や価値観を認め合いながら、ディスカッションを行う。そこでのさまざまな体験や人との出会いが、児童をさらなる成長に導く。
教頭の渡部悦代先生は、次のように語る。
「本校は小学4年生から海外研修があり、海外の学校へ通うプログラムがあります。毎年引率した際に目にすることは、海外の外国人教師とのやり取りは何の問題もないのに対し、子ども同士の会話だとそうはいかないということです。大人は、子どもが理解しやすいように話してくれますが、子どもは普段通りの言葉で話します。はじめは何を話しているのかわからずに戸惑いながらも、仲良くなりたいという気持ちが後押しし、相手が言っていることを理解しよう、もっと相手にいろいろなことを伝えようと、一生懸命コミュニケーションを取ろうとする姿が見られます。実際に海外に足を運び、現地の子どもたちと交流することは、本学園の児童にとって“英語を学ぶ意味”をより実感できる体験になっています」

“英語運用能力”の伸び率を確認するTOEFL®テスト

英語力の定着を測るために、年に1回、希望者を対象にTOEFL Primary®やTOEFL Junior® Standard のテストを実施している。
児童の中には、安藝魁真君のように小学4年生で、TOEFL Junior® Standard のスコアが、高校卒業程度(CEFR:B1)以上に到達するケースもある。魁真君は、小学2年生でTOEFL Primary®を初受験。3年生からは毎年TOEFL Junior® Standard を受けて着実にスコアを伸ばし、“英語運用能力”の伸び率を自分で確認し、日頃の英語学習に活かしている。
トム・アレン先生
魁真君の授業を受けもつ外国人教師のトム・アレン先生は、次のように話す。
「魁真君は、両親とも日本人ですし、帰国子女でもなく海外経験もありません。ごく普通の家庭で育ちながら、英語運用能力を確実に伸ばしている要因としては、魁真君自身の向上心の強さにあると思います。日頃から学校の授業や活動に積極的に取り組み、わからないことは、英語だけではなく、理科や社会でもすぐに調べるなど、多面的に努力をすることができる力をもっています。英語で表現するならば、“Extra Effort”です。授業以外の場面でも、周りにいる外国人の友達や先生と日本語を使わずに英語で話したいという意欲が高く、何事にも前向きで自発的に学ぶ姿勢がTOEFL Junior® Standard の好成績にもつながっています」
TOEFL®のテストを継続的に受験することは、同校の児童にとって課題発見と英語学習へのモチベーションを上げるために役立っている。
生光学園では、今後も引き続き、児童一人一人の個性を伸ばし、可能性を広げていくための教育を実現していきたいと考える。児童に関わるすべての教職員が一致団結し、“自ら人生を切り拓き、国際的に活躍できる人材”の育成をめざす。

すべての国が仲良く交流できる世界に変えたい

生光学園小学校5年
安藝 魁真 君

安藝魁真君
僕が、英語の勉強をするようなったきっかけは、5歳の頃、大好きなアクション映画のせりふを自分の力で聞き取れるようになりたかったからです。幼稚園に行くと、いつも外国人の先生や外国人の友達が周りにいたため、「英語ができるようになりたい!」という気持ちが自然と強くなっていったと思います。小学校に入る頃には英語が好きになっていました。英語も他の教科もそうですが、努力すればするほど、わかることが増えていくので楽しいです。学校の授業と宿題を一生懸命頑張っています。
TOEFL Primary®のテストに初めて挑戦したのは、小学2年生の時です。小学3年生からは、TOEFL Junior® Standard を受けています。毎年、TOEFL®テストを受けることによって、自分自身の課題を発見することができます。初めて受験した時は、リスニングのスピードが速くて驚きましたが、TOEFL®テストを受験したおかげで、何を勉強したら良いのかが具体的にわかるようになりました。今は、リスニング力を磨くために、ネイティブスピードの英語を聞いたり、単語量を増やすための問題集に取り組んだりしています。学校でも外国人の先生と英語だけで会話をするように意識しています。また、空いた時間を使って、あえて難しそうな洋書を選んで読むように心がけています。
前回、TOEFL Junior® Standardを受けた時は、自分の思っていた以上の点数が取れたので、うれしかったです。リーディングは、内容が難しく感じたのですが、満点をとることができました。次回はリスニングでも満点を取れるように努力していきたいと思っています。
将来の夢は、すべての国と国が仲良く交流できる世界にすることです。世界中のみんなが幸せに暮らせる世界になるように、国際関係を改善する仕事に携わりたいと考えています。
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