2月、私立東海大学付属小学校(静岡県清水市:4月より東海大学付属静岡翔洋小学校)で、来年からの導入に先立ち、4〜6年生25名の英語クラブの皆さんがTOEFL Primary® Step1のテストに挑戦しました。初めて見るテストに「問題の文章は英語なのに、どうしてテスト後のアンケートは日本語なの?」「問題冊子をとじてあるシールはどうやってはがすの?」と興味津々の皆さん。テストが始まると全員集中して取り組んでいました。

■生徒の皆さんの感想

左から(冨士野ももさん、大畑茉莉亜さん、坂上航来さん、大島崚太さん)

左から(冨士野ももさん、大畑茉莉亜さん、坂上航来さん、大島崚太さん)

大島 崚太くん(5年生)
今まで他のテストを受けたことがありましたが、そのテストは問題文が日本語。今回TOEFL Primary®は、問題文も全部英語だったので、意味を考えて答えるのに苦労しました。でも、リスニングの音声の子どもの声に微妙な違いがあって、おもしろかったです。僕は将来海外に行って仕事をしたいと思っていますが、今日テストを受けてみて、海外に行ったらこんな感じかな、と思いました。

大畑 茉莉亜さん(5年生)
始めは問題文も、テストの説明も全部英語なので、びっくりしましたが、絵が入っているものはわかりやすかったです。文章の問題は、少し難しく感じました。リスニングの音声の「留守番電話のメッセージを聞く」という問題は、本当に電話みたいな音声なので、面白かったです。
私は大きくなったら英語の先生になりたいと思っているので、もっと勉強して英語を得意にしたいです!

坂上 航来くん(5年生)
TOEFL Primary®は、絵があって、わかりやすかったです。リスニングの音声が速く感じて驚きました。英語は世界で話されていて、英語が話せると世界中に友達ができるので、こういうテストを受けながら、力をつけていきたいです。海外に留学もしてみたいです。英語を勉強することで、新しい出会いがあるかも、と思っています。

冨士野 ももさん(6年生)
TOEFL Primary®を受けるのは初めてだったので緊張しました。リスニングの音声は説明も英語でしたが、聞き取れたのでよかったです。話されている内容もとても面白かったです。これからは質問の英文を聞き取れるように、しっかり聞く練習をしておいた方がいいと思いました。私は英語だけでなくフランス語なども学んで、世界中の人とも友達になりたいと思います。

■先生方の感想

髙橋 佑未子先生:今回感じたのは TOEFL Primary®は、やはり世界基準で作られているテストだ、ということでした。出てくる子どもたちの名前は「英語らしい名前」だけではなく、さまざまな名前が出てきました。絵で出てくる人の雰囲気も世界の国の人を意識して作られていてとても新鮮でした。世界にはいろいろな「英語」があるんだ、とテストを通して感じてもらえたと思います。
中には今の子どもたちにとってはチャレンジングな問題もあったように思います。けれども最後まで粘り強く取り組め、日頃の学校での指導のたまものだな!と嬉しく感じました。

左から、大井藤花先生、栗山智美先生、髙橋佑未子先生

左から、大井藤花先生、栗山智美先生、髙橋佑未子先生

栗山 智美先生:思った以上の英文量でした。TOEFL Primary®の設問は「聞こえたものをそのまま答える」では済まない、一歩踏み込んだ「理解」を問う設問になっているものもあります。リスニング・リーディングの60分間で子どもたちの「英語を使う力」が鍛えられ、テストを受けること自体が、子どもたちの勉強になったようにも感じました。

大井 藤花先生:今回は英語が好き、というモチベーションのある英語クラブの子どもたちが受験しましたがいつもと違った緊張感がありました。このテストで、子どもたちが「もっと英語をできるようになりたい」と思うきっかけになっていけばと思います。

TOEFL Primary®導入の経緯と目指す生徒像

栗山先生:本校では歴史的にも音声やコミュニケーション重視の英語教育をしており、かつては試験官が海外から派遣されてくるスピーキングのテストを実施していました。しかし、そのテスト運営が難しくなり、日本で制作されている、リスニングを重視したテストを実施していました。
英語教育の必要性が高まる中、高学年にはもう少し「コミュニケーション能力を測れて、質の高い内容で次の目標を見せられるような」テストがあればと考えていたところ、TOEFL Primary®を知りました。

髙橋先生:小学校での英語教育は、この6年間で完結するわけではありません。私たちの目標は「将来グローバルに活躍できる人材の卵」を育成することです。本校の英語教育では、英単語や文法をどれだけ覚えました、ではなく、世界で生きる際に必要な素地や、コミュニケーションの姿勢や、他者の違いを認める心、自己表現ができることなどを目ざしており、語学を媒体として「自分を表現できる子ども」を育てたいと考えています。そのような背景から、今回TOEFL Primary®を導入しました。その理由は3つあります。

1)小学校のうちに未来への準備ができること
小学校時代から楽しみながらTOEFL Primary®を受け、TOEFL®の形式に慣れることは、大きなアドバンテージだと思います。卒業後、大学受験でTOEFL Junior®を、海外留学でTOEFL iBT®へ…と先を見越した準備ができていれば、未来への扉を開くためのカギをプレゼントできると思いました。

2)世界基準の評価を次の学習や目標に活かすため
 今回のテストで得た世界基準のCEFR評価を、次の目標に活かしてもらいたいと思います。自分は次に何を、いつまでに目指すかを考えてもらいたいのです。CEFR評価を一段階上げるのは大変きついことですが、目標実現に向けて、英語学習の良いモチベーションになると思います。
また、本校でも英語に多く触れる、多く読むという「多読」の取り組みをスタートしました。今回スコアに出てくるレクサイル指数を使って、日常で英語に親しめるような活動ができればと考えています。
3)「英語の運用能力」=「英語でどういうことができるか?」を測るためのテストであること。
私たち教員は、単に英語をどれだけ覚えたかを試すのではなく、英語でどういうことができるかを試す試験を探していました。また、英語を使って異文化を知る力、未知のものにも適応できるような内容に出会わせたいと感じていました。この点TOEFL Primary®は、私たちの狙いに非常に合致していたと思います。

大井先生:そうですね。例えば本校にはインド出身の先生がかかわってくださっています。その先生とコミュニケーションすることを通して、インドはどんな国なのか?そして、自分の住んでいる国はどんなところなのかを考えることにつながります。自分の国や自分のことも好きになり、お互いの違いを認め合える優しい心を持った「小さな親善大使」になってもらいたいです。

栗山先生: 私は”Think globally, act locally.”という言葉を心に刻んでいます。大きな夢を持っていても、日々の授業は地道に努力をしていかなければいけないのです。
先日、本校の卒業生が「今度イタリアに留学するんだ」と報告をしに来てくれました。その時「この子の中に、何かを残せていたのだ。」と嬉しく思いました。授業での日々の積み重ねを大切にし、世界への「小窓」を作ってあげられるのが小学校の英語だと思います。小学校の教育全体は「人間教育」という側面を持っています。学校における英語教育は、英語というフィルタを通して人を育てていると思っています。

髙橋先生:子どもたちには英語を使うことで「いい思い」をしてもらいたいと感じています。私自身、この小学校出身で、ここで育てていただき、今、教員をしています。私も英語を介して素晴らしい出会いがありました。英語を通して心を豊かにしてもらえたのがここの授業でした。それは、私たちがこれからの子どもたちにも引き継いでいきたいことでもあります。子どもたちがTOEFL Primary®の受験を通して、心豊かに英語を使って世界への窓を開いてくれたら…と願っています。